大事にしている保育の心

幼児期は「体全体で学ぶ時期」
「遊び」こそが重要な「学び」です

「遊び」と聞くと、大人は「反・勉強」をイメージし、「遊びよりも勉強を」と遊びを軽視します。しかし、幼児期においては、実は「遊び」こそが大切です。抽象的ではなく具体的な学び、身体全体を使っての学びが、幼児期の発達に即した学びなのです。
竜ケ崎幼稚園は、学校のように机に向かって学ぶことは幼児期にはふさわしくないと考えています。身体全体を使って遊ぶ、子ども本来の成長を大切にする保育を実践しています。

「非認知能力」は、
「遊び」の中でこそ育まれます

近年その重要性が指摘されている「非認知能力」とは、『自ら興味・関心や意欲を保ちながら、周囲との関わりの中で、粘り強く物事に取り組む力』のことです。
認知能力が、いわゆる知識や読み書きといった「学力」に相当するものに対し、非認知能力は「学びに向かう力や姿勢」であるといえます。生涯にわたって、その人らしく豊かな人生を歩むためには、認知能力と非認知能力をバランスよく育むことが大切であると、多くの研究成果が示しています。(東京大学名誉教授・日本保育士学会会長:汐見稔幸先生)
「遊び」から「学び」が、小学校への円滑な接続を生み出します

幼児教育は「非認知能力」に取り組み、小学校教育以降は
「認知能力」に取り組みます。


この「非認知能力」は、「遊び」の中でこそ育まれます。「遊び」には、たくさんの「育ちの種」が含まれています。遊びに熱中することから、集中力が生まれます。充分に遊び込むことから、満足感と達成感が生まれます。遊びを工夫し広げていくことから、作り出す力が生まれ、友だちとの遊びを通して、協調性や社会性が生まれます。だから、「遊び」こそが、子どもの成長の重要な要素なのです。

心を育てよう

社会的に成功を治めた方々に共通するのが、「心の知能指数」EQの高さだといわれます。自分の感情を上手に安定させたり、人の期待と自分のやりたいことのバランスをうまく取ったり、失敗したときにうまく切り抜けたりといった、自分の心を定常状態に保つ力が、これからの社会には求められます。人生の基盤を作る幼児期にこそ、この「心を育てる」ことが大切なのです。竜ケ崎幼稚園では、キリスト教主義に基づき、心の教育を大切にしています。乳幼児期の子どもの育ちは、「心の育ち」から始まります。心が育って、その心を基盤としてあらゆる知能が育つのです。この順番は守られなくてはなりません。
子どもたちは毎日お祈りの生活を送り、また、礼拝で聖書のお話しに触れて、心を育てます。そして、たくさんの体験を積み重ね、友だちと力を合わせたすばらしい毎日を過ごします。※「心の知能指数」EQ=Emotional  Intelligence Quotient(情動指数)

「遊び」から「学び」が、小学校への円滑な接続を
生み出します

2018年4月、文部科学省は、幼児教育と小学校教育双方で育てるべき内容を、「資質・能力」で一貫させました。この「資質・能力」を、幼児期は「遊びを通して」身につけるのです。
 
【学びに向かう力、人間性等】さまざまなことに意欲を持って粘り強く取り組み、目標に向かって努力できる力や、思いやりや安定した心を持つ。
 
【知識・技能】豊かな体験を通して、感じたり、気づいたり、わかったり、できるようになったりする。
 
【思考力・判断力・表現力等】気づいたことやできるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり表現したりする。
「遊び」から「学び」が、小学校への円滑な接続を生み出します

幼児期の終わりまでに育ってほしい
10の姿

「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」は、5才児の後半(小学校の入学前までに育みたい姿を10の項目として具体的に整理したもので、幼稚園、保育所、認定こども園共通の指針です。

(1)健康な心と体
(2)自立心
(3)協同性
(4)道徳性 規範意識の芽生え
(5)社会生活との関わり
(6)思考力の芽生え
(7)自然との関わり・生命尊重
(8)数量や図形、標識や文字などへの関心や感覚
(9)言葉による伝え合い
(10)豊かな感性と表現
幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿
*なお、これらをすべて小学校の入学前までに達成しなければならないという意味ではありません。竜ケ崎幼稚園では、この「10の姿」を、総合的な体験によって育つ保育をしています。そして、幼保連携型認定こども園ですから、園児は、0歳児から5歳児まで一貫して「遊びと絵本」による保育を受けることができるのです。

遊びの中での、保育者の関わり方
チーム保育

自由保育は、子どもたちの自活性を重んじ、子どもたちが何事にも意欲的に取り組み、遊びを通して社会性を豊かに育てることを大切にする教育保育です。子どもたちは、時間の制限を受けることなく、たっぷりと遊びこむ中から、集中力・持続力も育てていきます。
保育者は、一人一人の子どもが何をしたいのか、どんな友だちとかかわっているのか、そこでどんな育ちがなされているのかを大切に受け止めます。そして、時に励まし、時に見守りつつ、子どもの成長を導きます。また、意欲のふくらみ、興味の広がり、多様な体験ができるための環境作りを充実させています。竜ケ崎幼稚園の保育者は、どの幼稚園の保育者よりも、子どもを愛することにおいて一番の誇りをもって保育にあたりたいと決意しています。そんな保育者との出会いの関係を、子どもたちの成長の基礎としています。クラス運営は、担任とバックアップ教諭のチーム保育です。また、障がいのある園児には、それに対応してバックアップ教諭をさらに加配しています。
*1号認定児は、月に1回水曜日が午前保育で、スタッフが環境整備や行事・教材準備にあたります。

小学校の領域にはあえて立ち入りません
そして、「絵本」を大切にしています

竜ケ崎幼稚園では、小学校の領域に立ち入って文字や数字を教えることはしません。
「形」を「言葉」に置き換える抽象的概念の理解は、6~7才になって可能と専門家は指摘します。むしろ、小学校の入学前の時期は、経験をたくさん積むことが大切なことだといわれます。経験を重ね親しんできた「形」が、「言葉」として書き表すことができる。この順番で発達をとげることが、何よりも大切です。この順番を変えてはならないと考えています。むしろ、絵本の楽しさをたっぷりと味わう。美しい言葉を聞いて味わい、絵本の中に表現されているものを楽しむ。絵の中にあるものを、想像性を発揮して読み取りを楽しむ。楽しいお話しをたくさん聞く。その事が、文字や数字の習得のための必要な力となっています。絵本には「育みたい10の姿」が、すべて含まれているのです。
「遊び」から「学び」が、小学校への円滑な接続を生み出します

幼児期の文字や数字の取得は「絵本を通して」が一番です。

 
竜ケ崎幼稚園の子どもたちは、小学校入学に必要な文字や数字を、絵本を通して自然に身につけて卒園しています。竜ケ崎幼稚園の絵本のコーナーには、5,000冊を超える絵本・図鑑が備えてあります。そこで普段自由にたっぷりと絵本にふれることができ、毎日クラスの時間(ホットタイム)に絵本の読み聞かせがあり、週一回父母の会のボランティア活動の協力をいただいて絵本の貸し出しもしています。

「非認知能力」の中核となるのが、
「あいまいさを楽しむ力」です

人間には、もっとうまくできないかな、こうすればおもしろそうなものができそうだな等、様々な感情を働かせてその行為を興味深く個性的に遂行するという脳の働きがあります。これが非認知能力であり、認知能力の後ろで、認知能力を底深いものにしています。「あいまい」というのは、様々のやり方が選べるということで、その選択を楽しむ力が非認知能力なのです。あいまいさを楽しめる子は自分で個性的に考え行動できる子なのです。
(東京大学名誉教授・日本保育士学会会長 汐見稔幸先生)
「遊び」から「学び」が、小学校への円滑な接続を生み出します

「あいまいさを楽しむ力」は「何かに没頭し、夢中になること」
によって芽生えます。


目の前のことに夢中になることで、子どもたちは過程そのものの楽しさを知ることができるのです。例えば、絵本を通して、想像と不思議の世界に没頭することもそのひとつ。バラエティ豊かな絵本の読み聞かせを通して、想像と不思議の世界をたっぷり楽しむことで、非認知能力の土台となる「あいまいさを楽しむ力」は、さらに大きく育っていきます。

共に生きる
障がいのある子と障がいのない子が、
互いに育て合います

認定こども園ぶどうの木竜ケ崎幼稚園では、障がいがあるから入園できないということはありません。
竜ケ崎幼稚園の日々では、子どもたち同士が互いに刺激し合います。その刺激が、子どもたちの「内的力」を引き出すのです。
障がいのある子は、友だちからたくさんの刺激を受ける日々を過ごします。
障がいのない子、幼い時から障がいのある子と共にいることで、真のやさしさを学びます。
子ども園は、「同じ年齢の子ども達が作り出す社会」です。そこで大切なことは、私たちが互いに違いを受けとめあって、「共に生きる」ことだと思います。違いを認め合い、互いに支え合ったり協力し合って生きることが尊いことです。それを、子どもたちは「共に生きる保育」の中で、生活を通して自然に学びます。
私たちは、しょうがいがあるとされる子の「しょうがい」は、「しょうがい」ではなく「個性」だと思います。子どもたちが互いに豊かになるための、互いが発揮する個性の一つです。
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