- HOME >
- 2025年12月の育ちのこころ 「見つめる」ことを大切に
クリスマスは神さまが人間の赤ちゃんになって、私たちに見える形で姿をあらわしてくださった日です。
世界中の目が、たった1人の赤ちゃんに注がれます。
民族を超えて、国境を越えて、年齢を超えて、性別を超えて、みんなが1人の赤ちゃんを見つめるのです。
この「みんなが1人の赤ちゃんを見つめる」エピソード。
1914年12月24日の第一次世界大戦が始まって初めてのクリスマスに、イギリス・フランスの連合軍とドイツ軍とわずか100メートルの距離で向かい合っていた時に、ドイツ軍の陣地から『きよしこの夜』の歌声が戦場に響き渡りました。
その歌声に、戦場にいたすべての兵士たちは戦いを忘れ、曲が終わった時には両方から大きな拍手が響き、双方の兵士たちは銃を置いて中間地帯に出て、互いに「クリスマスおめでとう」と挨拶を交わし食料や飲み物を交換し、家族の写真を見せ合ったそうです。
つかの間の出来事ではありましたが、クリスマスの喜びは敵味方の壁を超えたのでした。
1人の赤ちゃんを見つめる中で、争いが止み、平和の時が訪れたのです。
この12月に、私たちもクリスマスを祝います。子どもたちと共に、クリスマスを祝いましょう。
その時に、ぜひ「子どもを見つめる」を、いつも以上に意識してほしいのです。
子どもは「見つめられること」に大きな喜びと安心を持ちます。
大人、特に親のまなざしに、子どもは敏感なのです。
「見て!」「見て!」は、子どもの心からの叫びです。
この「見つめる」ことが希薄になっているかもしれません。
赤ちゃんにおっぱいをあげながら、スマホの画面に見入っているママ。赤ちゃんはママをじっと見ているのに、ママはそれに気がつきません。同じように、スマホをみながらベビーカーをおしたり子どもの手を引いて散歩しているママやパパ。わが子の視線や行動には気がついていません。寒い気持ちになってしまいます。
「見つめる」ことで、子どもの心は安定します。その安定が基盤となって、子どもは世界を広げていくのです。
この12月に、ぜひ「見つめる」ことを大切にしましょう。どんなに忙しくても。 (園長:飯塚拓也)








