育ちのこころ2025年7月号
 【ママやパパたちへ】
育ちのこころ…人は人の中で人になる
 

6月に、「芋こぎ」のことを書きました。今、子どもたちはこの「芋こぎ」に励んでいます。

「ぶつかり合い」は、自分の思いと友だちの思いの違いから起こります。

遊んでいる遊具の取り合いや自分の思いが通らないことで、手や足が出ちゃう。(口が出ることも)。

この「ぶつかり合い」は、決してマイナスではないのです。

つい、子ども同士のトラブルが起きないようにとか、子どもがツライ思いをしないようにとなりがちですが、ぶつかり合いを避けていては本当の社会性は育ちません(もちろん、集団での一人への行為はイジメですから、それは厳禁です)。

この「ぶつかり合い」が、「芋こぎ」です。「芋こぎを大切に、まず見守ろう」をお願いしますね。

さて、この「芋こぎ」は、「複数の芋があるから『芋こぎになる』」ことに気がつきます。。

考えてみれば当然のことですが、もし芋が1個だけだったら、そもそも芋こぎになりません。

複数の芋があるからこそ、芋はこげます。そして、たくさんの芋があるほうが、芋こぎはより効果を発揮するのです(もちろん、望ましい集団の数はありますが)。

これを、「人は、人の中で人になる」と考えましょう。

『人間』は、『人』の『間』と書きます。人の間で生きることを、教えてくれます。

子どもも同じでしょう。「子どもは、子どもの中で子どもになる」のです。

子どもが育つときに、一番必要なのは「友だち」の存在です。

子どもは一人で大きくなるのではなく、友だちの間で大きくなるのです。

だから、「芋こぎ」になるのです。

そして、ママやパパたちにお願いしたいことは、「やさしい言葉」「あたたかい言葉」を子どもにかけてください。

それは、こんな指摘もあるからです。「人は、人(の言葉)を浴びて壊れていく」。

厳しい言葉や冷たい言葉を浴びて育った子どもは、その言葉を友だちに浴びせがちです。その場合には、友だち関係は育ち合う関係ではなく、壊す関係になってしまいます。

子どもの前での激しい夫婦喧嘩がだめな理由はここにあります。

また、デジタル化が急速に進み、AIが日常生活に入り込むことによって、子どもの日常がスマホやタブレットなどのデジタルの間におかれることにも気をつけてください。

子どもはデジタルの間で子どもになっているなんてことにならないようにしてください。  (園長:飯塚拓也)

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