育ちのこころ2022年10月号
 【ママやパパたちへ】 10月育ちのこころ
「もう一度 大切にしたいこと」
 
「認知能力」と「非認知能力」のお話しです。
東京大学名誉教授で日本保育士学会会長の汐見稔幸先生は、「認知能力」「非認知能力」に
ついてこう解説しています。
認知能力が、いわゆる知識や読み書きといった「学力」に相当するものに対し、非
認知能力は「学びに向かう力や姿勢」であるといえます。生涯にわたって、その人ら
しく豊かな人生を歩むためには、認知能力と非認知能力をバランスよく育むことが大
切であると、多くの研究成果が示しています。
小学校以降の子どもの育ちにも関係するとても大切な解説なので、ぜひ心に刻んでください
ね。
さて、この解説を違う言葉で表現するとこうなります。
小学校は、「学習指導要領」で子どもたちを導き
幼稚園・保育所・こども園は、「遊び」で子どもたちを導く
ですから、早く小学校の学びをすること(早期教育)はふさわしくないのです。
早期教育は、本来育つべきところの「非認知能力」を軽んじることになるからです。
「一日は24時間」は平等に与えられているものです。
この「24時間」を何にどう使うのかが、「生きる質」につながります(このことはオトナ
も十分にわきまえなくては!)。
そう、『クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)』の問題です。
乳幼児期にふさわしい『クオリティ・オブ・ライフ』を、親は子に提供しなくてはなりませ
ん。そして、「早期教育は、乳幼児時代の『クオリティ・オブ・ライフ』の向上にはつながら
ない」ことをわきまえたいと思います。
長く日本の学校教育は「認知能力主義」できました。その背景には、「早く大人にして、国
に役立つ人間を育てる」という明治以降の国策があります。このため、子どもたちが一斉に取
り組み、優秀な成績を修めることが尊いとされてきました。
でも、「非認知能力」はそうではありません。
子どもたちが生き生きして遊び込むその時に、非認知能力が最大限に育っているのです。
言い換えると、『ゴールが一律に決まっていない』のです。ゴールは子どもたち次第でどん
どん変わっていいのです。それを面白がる感性を、ママやパパに持ってほしいなぁ‼‼
問われているのは、むしろオトナたちではないかな。学校教育に染まってしまって、決まっ
たゴールを達成することが評価の基準となっている私たちのチャンネルを切り替えなくては、
です。
(園長:飯塚拓也)
紹介MOVIE

カテゴリー(バックナンバー)

Top