2月の育ちのこころ
「ボクはボクが好き‼ 自己肯定感を育もう⑥」
前月の「『誕生日アピール』する子どもの切ない心理」について、その続きです。子どもにとって誕生日は「自分の存在を“無条件“に肯定してもらえる特別な日」。いつも忘れないでいたいものです。
ここで、普段の子育てを、ちょっと振り返ってみましょう。振り返るのは2つだけです。

①日頃、ほめることと叱ること、どっちが多い?
②ほめる中で、「たらほめ」の割合はどのくらい?
*「たらほめ」とは、「条件つき」のことです。「頑張ったら」「ちゃんとできたら」「よい結果を出したら」「よい子にしたら」と、「条件に応えられたら」ほめてあげるを、「たらほめ」と名づけました。

振り返って、どうでしょうか。
1つ目については、ほめられるより叱られるほうが多い子どもの毎日に気づくための振り返りです。家でも幼稚園や学校でも塾でも、子どもによっては叱られっぱなしの子がいるかもしれません。そんな時、その子の心はどうなっているのでしょう。きっと、寂しい気持ちでいっぱいではないかな。そして、「なんて自分はダメなんだろうか」と劣等感にさいなまれ、ついには、自分で自分を否定する「自己否定」に包まれるのではないかと思います。
もちろん、してはいけないことをした時には、叱らなくてはなりません。いじめ、言葉による暴力、身体的暴力、破壊行為などには、親は毅然として叱らなくてはなりません。子どもだって、してはならないことをしてしまった時はそれはちゃんとわかります。でもそのような「叱る」は、そう多くはないでしょう、

2つ目の「たらほめ」の問題は、親の気に入る子どもにしないための振り返りです。
子どもって、親が思っている以上に親の気持ちに敏感です。「どうしたら、ほめてもらえるか」を、親の思いが強ければ強い程、そのように考えます。そして、いつも親の顔色を伺う子どもになってしまうのです。そして、いつしか、自分がどうしたいのかよりも、親がどう願っているのかを、自分の行動の基準とするようになるのです。これも困ることです。だって、自分で考えて、自分で試して、失敗してもメゲないで挑戦してほしいのですが、その動機が「よい結果をだしたら」と「たらほめ」だからです。つまり、「中身からっぽ」になっちゃうのです。「たらほめ」は、伝染するのです。
また、「勉強ができたから」「いい学校に行けたから」で自分は特別な存在と思い込み、反社会的な行動をしても許されると勘違いしている子どもこそ大きな問題です(えてして、そういう場合は、親が叱るべきことをしっかり叱っていないことが多い)。

ね、子どもに何を願いますか?「頑張れない自分も大切にして」「ちゃんとできない自分も許して」「よい結果をだせない自分も愛して」「ありのままの自分を肯定して」「どんな自分も受け入れて」。このような願いをかなえるのが、「無条件にほめる」こと、「無条件な肯定」なのです。
[園長:飯塚拓也]
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