1月の育ちのこころ
「ボクはボクが好き‼ 自己肯定感を育もう⑤」
「子どもに絶対言ってはならない『全否定3要素』」について考えてきましたね。
それは、「人格否定」「能力否定」「存在否定」でした。
なぜ言ってはいけないのか、それは、「そのたった一言が、何十年も子どもを苦しめることになる」からです。これは私たちにだってあるでしょう。そして、その一言によって自分を好きになれなくなった悩みがあるのではないでしょうか。だからね、子どもだって同じなんです。
そして、この「自分を好きになれないことは、自己肯定感を育てることに影響を与える」ことをもう一度覚えたいと思います。

親野智可等さんの文章に、「『誕生日アピール』する子どもの切ない心理」があります。
親野さんが小学校の先生だった時に、ある日の朝、ある男の子が来て、「先生、今日は僕の誕生日」といったそうです。にこにこと満面の笑みで。
親野さんは、「おめでとう!今日はいい日だ。うれしいねぇ。キミが生まれてくれてよかったよ。だって、今日こうやってキミと楽しくおしゃべりできるのは、キミが生まれてくれたからだもの」と答え、そうするその男の子はますますうれしそうだったとのことです。また、「今日、誕生日」と言ってくる子どもが結構いたことも振り返っています。
この出来事を通して、親野さんは「なぜ子どもは誕生日が大好きなのか?」を考えました。子どもは誕生日が大好きです。それはナゼなのか?
その答えが、「誕生日は、自分の存在を“無条件“に肯定してもらえる特別な日」だったのです。
そう、「誕生日」こそ、「生まれて良かった!」の喜びの日であり、自分の存在そのものをほめてもらえる日です。こういう日はほかにはないでしょう。親として考えたいことは、普段はどうかな、です。ほめることと叱ることとどっちが多いでしょうか。もしかしたら、ほめてあげたいんだけどでも目の前のことでは叱らざるをえない。ほめてあげたいんだけど、してくれない。これが現実かもしれませんね。
ぜひこの機会に、「ほめることより叱ることが多い」や「ほめるとしても条件つき」について考えてみてほしいと思います。

ね、「大切なのは無条件にほめること」です。「頑張ったら」「ちゃんとできたら」「よい結果を出したら」などの条件つきでない無条件の肯定です。言い換えると、その子の存在そのものをほめることです。
実は、「子どもが親の愛を実感するのは、自分の存在を無条件に肯定されたとき」なのです。
(園長:飯塚拓也)
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