12月の育ちのこころ
「ボクはボクが好き‼ 自己肯定感を育もう④」
「子どもに絶対言ってはならない『全否定3要素』」の、三つ目を考えましょう。
それは、「存在否定」です。
「存在否定」とは、文字通り「子どもの存在そのものを丸ごと否定する言葉」です。「人格否定」も「能力否定」も言ってはならない言葉ですが、そんな中であえて言うと、「最も言ってはならないのが『存在否定』」です。
まず、ここで何よりも私たち自身のこととして、「もし自分の存在が否定されたら?」と考えてみてはどうかと思います。
存在否定の言葉は、たとえばこんな言葉です。

お前なんか嫌い。顔も見たくない。お前が側にいるとイライラする。近寄るな。出て行け。消えろ。死ね。お前なんかいなけりゃいいのに。etc…。

もしかしたら、「この文章を読んでいるあなた」にも、前に言われたことがあり、今も心の内に残っている言葉では?そして、そのことを思い出すと、今でも気持ちがつらくなるのではないでしょうか。
そう、つらい気持ちになるということは、自己肯定感なんてそこでは持てないということです。自己肯定感どころではく、自己否定感にとらわれ続けることになるのです。存在否定は消えないのです。
たとえば思春期に自分で自分を傷つけていくことの根っこには、幼児期に受けた存在否定がずっと残っているのではないかと私は思っています。
つまり、この「存在否定の言葉をぶつけられた人は、自己存在の根本にかかわる苦悩を持ち続けることになる」のです。
ましてや、大好きなママやパパから、存在を否定されたらどうでしょう。
存在否定のもう一つの問題は、大切な人から言われた場合には、「自分で自分の存在を否定するようになる」ことです。「自分は生まれないほうがよかったんだ」と、自分に言い聞かせるのです。
自分で自分を否定するようになるなんて、なんと悲しいことかと思いませんか?
自分の存在を否定され続けたら、「自分はこの家にいないほうがいいのではないか」という気持ちになるのではないでしょうか?

お前なんか本当は産みたくなかった。産まなきゃよかった。
そんな子はうちの子じゃありません。そんなことをする子はいないほうがいい。
言うことを聞かない子は要らない。どこかに捨ててくるぞ。もう帰ってこなくていい。

どうか、決して言わないでくださいね。存在否定は心を傷つけてずっと残るし、ママやパパから言われることが一番堪えるのですから。親は、子どもの存在に関わる言葉を、時には冗談で行ってしまうことがあります。でも、言われた子どもは、冗談ではすまないのです。
(園長:飯塚拓也)
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