10月の育ちのこころ
「ボクはボクが好き‼ 自己肯定感を育もう②」
先月発行の「園からこんにちは9月号」で、「子どもに絶対言ってはいけない『全否定3要素』」を紹介しながら、『自己肯定感を育む』ことに触れました。
『自己肯定感が高い子』は、自分に自信をもって生きていけますから、失敗を恐れないで、何事にも意欲的に取り組む姿にあふれます。幼児期は人生の根っこをはりめぐらす時期ですから、この『自己肯定感を高める』ことこそ、その根っこをはりめぐらすことにつながるのです。
わが子を愛してやまないパパやママに、「子どもを愛するとは、わが子の自己肯定感を高めること」と覚えてほしいと願います。そして、そのために、「言ってはいけない『全否定3要素』」として、『人格否定』と『能力否定』と『存在否定』について考えてみたいと思います。

まず、「人格否定」です。
9月号で紹介した、親野智可等(おやのちから)さんが、小学生のときに学校の授業で教師から言われた言葉が「隣の○○の答えを見ただろ。お前にそんなことがわかるはずがない」でした。
先生は、私のことを「隣の子の答えを盗み見て発表するようなずるい子」だと思っているわけです。これは私の人格を丸ごと否定する言葉であり、忘れようと思っても忘れられない類いの言葉です。
この「ずるい子」が、「人格否定の言葉」にあたります。
親野さんの中でこの「お前はずるい子」は決して消えるどころか、何かあるたびに「お前はずるい子」が反響し、「ボクはずるい子なんだ」と時には自分で自分を否定するところにまで追い込むのです。
だから、「人格否定の言葉」は絶対に言ってはならないのです。
たとえ1回でも、言われたほうが深く傷つき、一生わすれられなくなることだってあるのです。
そして、自分が傷つくだけでなく、言った相手に対する不信感も湧きあがるのです。
ほかにも、この「人格否定の言葉」があるでしょう。
兄弟喧嘩の時の、「(弟や妹に対しての態度を責めて)なんでそんなに意地悪なの」の「いじわる」。
「後でやるって言ったのにやってない。やっぱりうそつきだ」の「うそつき」。
ほかにもあります。だらしがない。情けない。怠け者。根性がない。バカ。のろま。弱虫。泣き虫。何度言ったらできるの。口ばっかり。いつもそう。そんな子に育てた覚えはない。どうしようもない。いつもそう。無理。信用できない。だからダメなんだ。………。
「あぁ、何度言っちゃったことか!」と、親としてわが身を振り返って落ち込みますが、「今からでも気をつけよう」と思います。「人格否定」は止めなくちゃ。ぜひ、みなさんも一緒に、です。
〔園長:飯塚拓也〕
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