9月の育ちのこころ
「ボクはボクが好き‼ 自己肯定感を育もう①」
公立小学校で23年間教師を務め、『ドラゴン桜 わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力』や『「叱らない」しつけ』等の著作で知られる、教育評論家の親野智可等(おやのちから)さん。そ
の親野さんが、「何十年経っても忘れられない一言」として、こんなことを書いています。
 
私は、小学生のときに先生に言われた言葉で、忘れられない一言があります。ある日の授業で、先生が出した問題に私が手を挙げて答えたときのことです。それは正解だったのですが、その直後、先生が「隣の○○の答えを見ただろ。お前にそんなことがわかるはずがない」と言ったのです。
この言葉は、50年近くたった今もはっきり覚えています。先生は、私のことを「隣の子の答えを盗み見て発表するようなずるい子」だと思っているわけです。これは私の人格を丸ごと否定する言葉であり、忘れようと思っても忘れられない類いの言葉です。
ここにある「人格を丸ごと否定する言葉は、忘れようと思っても忘れられない言葉」に、注目しなくてはなりません。否定された側は、何十年経っても忘れられなくなるのですから。
この親野さんの言葉に出会うときに、親や大人が、例え何の悪気もなかったとしても冗談のつもり
であっても、言われた子どもからすれば一生忘れることができない言葉があることを、私たちは今こそ深く心に刻みたいと思うのです。親野さんは、こう続けます。
あなたが、子どもに何気なく言っている言葉は大丈夫でしょうか?からかい半分の言葉、冗談半分の言葉、いわゆる「ツッコミ」といわれる言葉などは大丈夫でしょうか?子どもは笑いながら聞いているように見えても、本当は心の中で傷ついているかもしれません。
 
「子どもに絶対言ってはいけない『全否定3要素』」があります。
それは、『人格否定』と『能力否定』と『存在否定』です。
なぜ言ってはいけないのでしょうか?それは、『子どもの存在を丸ごと否定する』からです。
そして、それは子どもにとっては、『条件付きの愛情』になってしまうのです。
子育てで一番大切にしたいことは、『子どもの自己肯定感を高めること』。
『自己肯定感』と聞くと、「なんかムズカシイ」と思われるかもしれませんね。
「ボクは生まれてきてよかった!」と、子ども自身が自分の存在を受け止めることです。
「ワタシのこと、ママもパパもみんなも喜んでくれている!」と、子ども自身が自分の存在を自分で喜ぶことです。
『自己肯定感が低い』と、子どもは絶えず周囲の目を気にして育つことになります。逆に、『自己肯定感が高い』と、子どもは自分に自信をもって生きていけます。そして、失敗を恐れないで、何事にも意欲的に取り組む姿にあふれます。『自己肯定感って大事なんだ!』を、まず覚えてくださいね。
(園長:飯塚拓也)
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