7月の育ちのこころ「禁止でなく…」
「ね」付きの子育て、取り組んでいますか?子どもたちは、日々新たに成長しています。この成長をうながす言葉として、ぜひ日々「ね」付きの子育てをお願いしますね。
また、6月のそだちのこころで紹介した、「考える余地を残す五か条」もぜひ大切にしましょう。
その内容を、もう一度紹介しましょうね。
①子どもの安全基地になること。心理的絆をつくりあげること。
②他児と比べずその子自身の進歩を認め誉めること。
③「生き字引」のように余すところなく定義を与えないこと。
④「裁判官」のように「判決」をくださず、「禁止」や「命令」ではなく「提案」の形で援助すること。
⑤子ども自身が考え、判断する余地を残すこと。
「ね」付きの子育てにしても、「考える余地を残す五か条」にしても、そこにある大切なこころは「子ども自身に生きさせよ」です。
「子どもが自分で考えて、自分で行動すること」こそ、子どもの育ちの根っこにあってほしいことなのです。そう、「たとえうまくいかなかったとしても、失敗したとしても」です。
新型コロナウィルスの感染防止の呼びかけに、「ナッジ(nudge)」と呼ばれる工夫がいかされています。
「〇〇せよ」「○○するな」などの行動を指示したり制限するのではなく、選択の自由を残しつつ望ましい方向へそっと後押しする取り組みとのことです。
朝日新聞の5月8日の夕刊の1面に紹介されましたが、宇治市役所のトイレの事例で、「となりの人は石鹸で手を洗っていますか」というポスターを貼ったそうです。これを目にした人が、「では自分も」と手洗いに励んだそう(隣の人を監視するようで、個人的にはこのナッジはあまり好きになれませんが)。
そういわれてみれば、「仕事は在宅勤務で」、「待てる買い物は通販で」、「筋トレやヨガは自宅で画面を活用」など、選択肢を示し、禁止は前面に出さないこれらの呼びかけは、新型コロナ以降確かに増えています。

新型コロナをきっかけに始まった新しい生活スタイルの一つが、「人間心理に働きかけるナッジの手法」なんだなぁと思います。

この「ナッジ」は、まさに「子育ての極意」につながります。
朝日新聞は、この記事に「禁止でなく選択肢で『そっと後押し』」とタイトルを付けました。
このタイトルを、そのまま子育てに活かしましょう。
「ね」付きの子育ても「考える余地を残す五か条」も、『そっと後押し』そのものなのです。
考えてみたら、オトナだってナッジがいいでしょう。禁止や命令より、選択の余地のある後押しを望みます。そのほうがヤル気が出ますから。
だったら、「子どもだって、同じ!」なのです。
認定こども園ぶどうの木竜ケ崎幼稚園 園長 飯塚拓也
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